35ミリフルサイズとAPS-Cの違い【イメージセンサー】

35ミリフルサイズとAPS-Cの違い

一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラの購入をお考えの方で、「35ミリフルサイズ」「APS-C」のどちらのイメージセンサーが搭載されたカメラが良いのだろうかと迷われている方も多いと思います。

 

「35ミリフルサイズ」と「APS-C」はサイズ(大きさ)が異なり、イメージセンサーのサイズによって写真の描写が変わります。今回は「35ミリフルサイズ」と「APS-C」の違いについて解説します。

筆者・講師
佐治 秀保 / sajihideyasu

株式会社ビジネスのかんさつ 代表/オルタナクリエイツ 代表

広告写真家・クリエイティブディレクター
経営戦略 & WEBマーケティングコンサルタント(中小企業診断士)

プロフィール詳細

↓オンライン動画研修「写真撮影スキルアップ研修(全16回)」では詳細を動画で解説しています。

 

イメージセンサーとは?

イメージセンサーは「撮像素子」とも呼ばれ、光の明暗を電気信号に変換する半導体素子です。

簡単にいうと、光を記録し写真データにするというカメラの核となる存在です。フィルムカメラの場合は、フィルムがその役目をしています。

カメラの仕組み

下図は一眼レフカメラを横から見たイラスト図です。カメラの仕組みは写真撮影コラム009もご参照ください。イメージセンサーはカメラ内部の背面にあります。

一眼レフとミラーレス一眼の違い

オンライン動画研修「写真撮影スキルアップ研修(全16回)」第2章(ビジかんアカデミア)より

 

シャッターボタンを押した時の動き

シャッターボタンを押すとミラー機構があがりシャッター幕も開き、レンズから入った光がイメージセンサーに届いて画像を生成します。

一眼レフカメラの仕組みイラスト図_シャッターボタンを押す前と後

オンライン動画研修「写真撮影スキルアップ研修(全16回)」第2章(ビジかんアカデミア)より

 

カメラによってイメージセンサーサイズが異なる

カメラによって様々な大きさのイメージセンサーがあり、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラだと「35ミリフルサイズ」や「APS-C」と呼ばれるサイズ(大きさ)の規格を採用している機種が一般的です。

 

▼35ミリフルサイズの一眼レフカメラの例


▼APS-Cサイズの一眼レフカメラの例

後述しますが、「35ミリフルサイズ」「APS-C」では、写真の描写も変わってきます。

イメージセンサーサイズの違い

カメラの種類・機種によって搭載されているイメージセンサーは異なり、大きなカメラほど大きなイメージセンサーが搭載されている傾向があります。

もちろんスマホカメラもデジタルカメラですので、イメージセンサーが搭載されています。

ただし一眼レフやミラーレス一眼などに比べるとかなり小さいサイズのイメージセンサーが搭載されています。

カメラの種類イメージセンサー比較表

オンライン動画研修「写真撮影スキルアップ研修(全16回)」第2章(ビジかんアカデミア)より

 

 

イメージセンサーサイズが大きい方が解像度やボケ感が美しく、綺麗で奥行きのある写真が撮れます。ただし、イメージセンサーサイズが大きい機種はカメラ本体の価格が高額である傾向があります。

「35ミリフルサイズ」は「APS-C」よりも大きい

イメージセンサーのサイズは様々な規格があります。

35ミリフルサイズは横36×縦24mm、APS-Cはメーカーにより異なりますが横23.4×縦16.7mmほどです。比率で言うと、35ミリフルサイズが100%だとするとAPS-Cは約40%の大きさの面積です。

イメージセンサーサイズ一覧表

オンライン動画研修「写真撮影スキルアップ研修(全16回)」第2章(ビジかんアカデミア)より

 

「35ミリフルサイズ」と「APS-C」の写真の違い

センサーサイズが異なることで、主に以下の5点が変わります。

  • ①画角が異なる
  • ②ボケ感が異なる
  • ③大きく引き伸ばした際の鮮明さが異なる
  • ④カメラ本体の重さが異なる
  • ⑤価格が異なる

それぞれについて解説します。

①画角が異なる

イメージセンサーのサイズが異なると、画角が異なります。同じ焦点距離のレンズを使用していたとしても、APS-Cの方がセンサーサイズが小さいのでトリミングされたような状態になります。

そのため、APS-Cのカメラを使用すると、35ミリフルサイズよりもズームアップしたように見えます。

35ミリフルサイズとAPS-Cの画角の違い

オンライン動画研修「写真撮影スキルアップ研修(全16回)」第2章(ビジかんアカデミア)より

 

ズームアップの比率は、メーカーによっても異なりますが35ミリフルサイズのおおよそ1.6倍となります。

そのため、広角で撮影したいと思っても、1.6倍のズームになってしまうため広角撮影には不向きとなってしまいます。

②ボケ感が異なる

イメージセンサーのサイズが異なると、ボケ感が異なります。サイズが大きいほどボケ感は大きくなります。

ボケ感とは、ピントを合わせた位置から前後に離れていくと写真はボケていきますが、そのボケ感が大きいほど奥行きを感じるいい雰囲気の写真になります。

逆に言うと、ボケさせたくない場合は、イメージセンサーが小さい方がボケにくくなります。

イメージセンサーサイズによる写真のボケ感の違い

オンライン動画研修「写真撮影スキルアップ研修(全16回)」第2章(ビジかんアカデミア)より

 

スマホカメラの機能で、「ポートレート」などのモードにすると背景がボケるものもありますが、ほとんどはソフトウエア上でボカしているため、画像処理によるボケになります。

③大きく引き伸ばした際の鮮明さが異なる

写真はイメージセンサーで受け取ったサイズを基本として、そこから引き伸ばして写真を目にします。

例えばA4サイズで写真を見るとすると、小さなイメージセンサーからA4に引き伸ばすのと大きなイメージセンサーからA4に引き伸ばすのとは倍率が異なります。もちろん大きなイメージセンサーから引き伸ばす方が写真は鮮明で、小さなイメージセンサーから引き伸ばすと画像が粗くなります。

④カメラ本体の重さが異なる

イメージセンサーサイズが大きいと、カメラの筐体を大きくする必要がありますので、ボディ本体の重量が重くなる傾向があります。

APS-C搭載のミラーレス一眼カメラのボディ重量はコンパクトなものであれば300〜400g程度のものもありますが、35ミリフルサイズを搭載した一眼レフカメラだと1kg前後と、ずっしりするものもあります。外に持ち運んだり、手持ちで長時間撮影する際に、大きなカメラだと体力的に厳しいという方もいらっしゃるかもしれません。コンパクトで軽量な方が持ち運びはしやすいですね。

⑤価格が異なる

前述の通り、イメージセンサーサイズが大きいカメラは高価である傾向があります。

描写としては35ミリフルサイズの方が美しいですが、機種によっては数十万円異なる場合もあります。予算も考慮して選びましょう。

 

▼35ミリフルサイズの一眼レフカメラの例


▼APS-Cサイズの一眼レフカメラの例

このように、大きなイメージセンサーの方が写真の描写は美しい傾向にありますが、カメラの大きさ・重さ・価格が高くなりますので、自社にとって何が大切かどうかディレクションで決めるのが望ましいです。

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といっても細かなことを言うと撮影用途によって異なりますが、そこまでこだわりなくまずカメラが欲しいということであればメジャーなメーカーさんが良いのではないでしょうか。

一眼レフカメラのおすすめ

一眼レフカメラのメーカーさんはキヤノンかニコン、もしくはペンタックスですね。

イメージセンサーのサイズが「APS-C」と「フルサイズ」がありますので、予算や必要に応じて選択されると良いです。予算があれば少し高いですがフルサイズのタイプがおすすめです。

 

キヤノンでいうと「EOS Kiss」や「EOS 00D」のシリーズなどが「APS-C」で、「EOS 5D」や「6D」シリーズが「フルサイズ」です。

 

イメージセンサーのサイズが大きいと、写真のボケ感が多く、より深みのある写真が撮れます。ただ、EC用に商品写真のキリヌキ写真(もしくはシンプルなペーパー背景の写真)や使用方法などの説明写真を撮影するのであれば、「APS-C」のタイプでも問題ありません。

 

 

レンズキットなどもありますので、レンズを何使えば良いか分からないという方であれば、まずはレンズキットでも良いかもしれません。

ただ、安いものでもありませんので知識を入れてから購入される方が望ましいですね。

 

▼よくビジネス用で使用されている一眼レフカメラ

 

 

ミラーレス一眼カメラのおすすめ

ミラーレス一眼の主なメーカーは、ソニー・キヤノン・ニコン・富士フイルムなどです。

こちらもセンサーサイズが「APS-C」や「フルサイズ」などがありますので商品ページをよく見て購入してください。

 

▼よくビジネス用で使用されているミラーレス一眼カメラ

 

 

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